曲独楽(曲ごま)とは

  • 日本の伝統芸の一つです。

江戸時代に考案された曲芸用の独楽のことです。
大小の独楽を使って、独楽を扇子に乗せたり、綱渡りをさせるといった、様々な曲芸を披露する芸で、元禄(1688~1704年)ごろに博多で生まれました。

曲独楽は、もともと散楽の一つとして、中国から伝わりました。奈良時代に朝廷で行われていた、神仏の行事や相撲の余興として曲独楽が行われていました。日本では、博多で曲独楽が初めて作られました。博多独楽は代表的な曲独楽です。博多から出てきた初太郎〔はつたろう〕という少年が、京都の小屋で博多曲独楽を演じて評判になったのが始まりと言われています。その後江戸へと伝わり、享保年間(1716~1735)から幕末にかけて曲独楽は大流行しました。文化文政期(1804~1830)に独楽が盛んに作られるようになり、曲芸としての技術的にも非常に発展しました。

曲独楽の技をいくつか紹介します。

独楽の刃渡り…刀の上を渡るように独楽を回す技
糸渡り…綱渡りのように独楽をまわしながら糸を伝って移動させる技
地紙止め…扇子の上でバランスよく独楽を回す技
風車…棒の先で回した独楽を直角にまで倒していく技
衣紋〔えもん〕流し・・・着物の袖の上を渡るように独楽を回す技

など様々な技があります。